※U-17合宿前の妄想録です。

なぜ、ユウジが選ばれず、財前はサボったのか。











全国大会が終わった後のとある放課後。

俺は図書委員の当番の日やったから少し遅れて部室に足を運んだ。
廊下から見えるテニスコートには、部員が既に打ち合っとる。
俺もはよ行かな…合宿とかもあるかもしれへんっちゅー話やったし、全国大会終わったからってサボっとったら部長にどやされるわ。

そう思いながら部室のドアノブに手をかけようとした瞬間、いきなりドアが勢いよく開たもんで、ドアノブに手をぶつけた。めっちゃ痛い。
誰や、とちょっと文句を言おうと顔をあげると、犯人はユウジ先輩やった。
いつもやったらこの先輩やったらガンガン言うんやけど、顔見た瞬間、色々言おうと候補に出てた文句が全部引っ込んだ。

ユウジ先輩は「すまん」とだけ言って俺の顔も見ずに足早に出ていった。多分、俺やって全く気づいてへん。
唖然としとった俺は、「おぉ、財前。丁度よかったわ。はよ入り」という部長の声で我にかえった。
部室の中の空気は別に悪くは無かった。例の合宿のミーティングを始めるとこだったらしい。


「今から合宿参加者でミーティングや。」


そう言って部長は紙を配る。参加者一覧やら何やらが色々書いてある。
ん?参加者でって…レギュラーだけかと思たら副部長もおらん。それにユウジ先輩も出てったままや。
参加者一覧の四天宝寺の項目を見ると、そこには7人の名前しか無かった。


「…レギュラー全員じゃないんすね」

「選抜されたメンバーだけなんや。」


優勝校は全員やったんやけどな。と、部長は気まずそうに付け足した。


選抜された?
俺なんて二年で対した活躍もしてへんのに
なんで選ばれたんやろ。

それにユウジ先輩のあの表情…。
ただ単に金色先輩と会えへんくなってまうからやない。

あれは…


「…始めるで。今回の「すんません」


気付いたら一度卸した腰を上げてた。


「…光?」

「…めんどいんで俺行きませんわ。」


そう言って部室を出た。
謙也さんとかが呼び止めとったけど、無視した。

選抜されへんかった皆は普通に練習しとる。
副部長が指示しとるようやった。

ユウジ先輩は…

いた。
ユウジ先輩は一人で木陰に座っとった。

少し離れて隣に座る。
ユウジ先輩は横目でちらっと見たて、睨んできた。


「…お前何しとんのや。ミーティングやろ」

「…俺、選ばれてませんし」

「は…?」


嘘を付いた。


「やって…名前あったやろ」

「紙面のミスらしいッスわ」


何言ってんのやろ。俺。


「…そうなんか」

「…ま、しゃーないッスわ」


そう言うと、いつものユウジ先輩らしい顔になった。

もうあんなユウジ先輩の顔は見たくないと思った。
あんな、


悔しくて溢れそうな涙を押さえるユウジ先輩の顔なんて。


嘘がバレたら余計に悲しむんやろか。
それともいつもみたいに怒ってくれるんやろか。

どっちにしても、今はそんな顔、して欲しない。












側に居られるだけでえぇ。



END.


**********************

「例えそれが、少しの間でも。」



小春とユウジの間に入れない片思いな財ユウが好きなんです。


大丈夫だよユウジ。
ユウジが選ばれなかったのは、小春と一緒に居させたかったからだよ。
普通に行ったらダブルスで戦って勝ち組、負け組で別れることになっちゃうから、ちょっと強引にやってみただけだよ!そういうたしけの策り(ry泣かないでユウジ!ユウジの実力が認められなかった訳じゃない!!絶対にだ!←





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