「あんな、うちと付き合ってくれへん…?」
「…っす…」
小さくそういって、彼は俯いた様にうなずいてくれた。
「「「「!!??」」」」
「なんや!?あれ!!」
「え、あれ、財前やろ!?」
「なんやあの反応!!」
「めっちゃかわいいやん、光。ロックオ〜ン」
「浮気か!!」
乙女心
「なぁ謙也…」
「ぁ?」
「光に告白しよう思てるんやけど…」
「お前、乙女キャラちゃうやろ。きしょい…ってぇ!!」
乙女に失礼なことを言う同級生に回し蹴りをくれてやった。
そしてそのままチョークスリーパー。
コートに光おるんやから変な事いうなやエセスピードスター!
あ、またラブルスにちょっかいだしてユウジがキレてる。
先輩に対してドS全開の光ええわぁ…。
「っちゅー事で、うち、この練習終わったら告白する!」
「なんや、死亡フラグ全開やな。そのセリフ」
「謙也やないんやからフラグなんてたててへんわ。」
そして、結果…。
成功なわけだが、
「俺、あんな財前見た事ないで!?
なんや名前より乙女だったやんかあいつ!」
「俺も無いわ…。OKするにしてもぶっきらぼうとか、無表情で『いいッスよ』かと思ってたわ」
「うわっ!今のユウジめっちゃ財前でびびった!」
「光も、気持ち改めたのカシラねぇ?」
「青春やなぁ。」
影からコソコソと話すやつらに気付く様子もなく、光は今度は自分から提案してきた。
「…今日からでええんですよね?
じゃあ…名前先輩、一緒に帰りません?」
まだ赤らめた頬のまま。
小首をかしげるオプション付で。
…ッあかん!!!
鼻血でそうな程かわええ…!!!
とりあえずニヤケ顔を隠すために手で口元を覆って隠して、なんとか「うん」とだけ答えた。
だってだって、あの顔!!!
あんな素直な光見た事ないで!?
「ドSな光すきー!」って思っとったけど、
これは、それ以上に、反則である。
しかも答えてあげたら、
めっちゃ嬉しそうな顔して笑った!!!
か、かっかかっかかかわええっ!!!!
にやけてしまう顔と、ロボットのような動きになるのをなんとか抑えて、光の隣にならんで下校することになった。
「ちょ…!」
「光っ…めっちゃかわええやんっ!」
「マジでか…!って小春!浮気はあかんで!!」
「あれは…反則やな」
「って、白石。顔揺るんどるで…?
俺、白石のそんな顔もみたことないわ…」
ならんで帰る光の横顔は、
冬も近く寒いせいもあってか、めっちゃ顔が赤い。
低体温って言うてたから、寒いんやろな。
「光、寒いん?」
「…寒いッスね」
そう言って肩をすくめてマフラーに顔をうずめる。
そのしぐさもめっちゃかわいい。
あ、そだ。うち、手あったかいから手繋いだろ。
そう思いついて、ポケットにつっこまれてた手を取り、
「手、つなご?うちあったかいで!」といって笑いかけると
顔真っ赤にして驚いた表情して恥ずかしそうに顔そむけて、消え入りそうな声で
「…ども」
だって。
あぁ…。もう…
帰りまで理性保てる気がせぇへん……
END.
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立場が男女逆になりつつある夢。
光が恋愛に関して乙女だったらかわいいなと思って…。
これシリーズ、色々出るかもしれません。
ついてきた4人は、この後名前の家まで送り届けた後、光によって見つかって、いつもの表情にもどった光に「先輩ら、めっちゃキモイんすけど」って言われちゃいます。
恋愛だけなんです。乙女なのは(笑)