「ところで名前さん」
「はい」
「いつ、俺の両親に会って頂けますか」
「はい?」


コイツは何を言っ…あ、しかもコイツ今私が使ってた箸を手に取ってやがる。いや、この際それはどうでもいい。


「…ちょっとよく意味が…」
「そのままの意味ですよ。いっその事、親公認にしてしまえば良いんじゃないかと思いまして」


いっその事も何も、私は木手くんと付き合ってすらいないよね?…と言葉に出来ない私を尻目に、奴は持っていた私の箸を自分の制服のポケットにしまった。
おぉぉぉぉぉお前何してんだよ!!!!思わず身震いしたわ!!!!いや口に出せないけど!!


「如何ですか、次の日曜にでも」


マズい。マズいぞ。何故こうなったんだ。私が何か前世で悪い事でもしたんだろうか。今は心を改めてキチンとチキンで過ごしているので見逃して下さい。


「…そ、それは早い、かな…」


付き合ってねーよと言えない自分が恥ずかしい。そして泣きたい。


「ま、まずはデートとかして、仲良くなってからじゃ…」
「なら行きましょうか、デート」


うん、墓穴掘った。


「では、今日も放課後は一緒に帰りましょうね。その時にデートの日程を考えます」


という台詞を残して去る後ろ姿に、「お前いつも勝手に後を付けて来てるだけじゃねーか!!」なんて言えない私。

…とりあえずお弁当の残りを食べ…
箸無いんだった。







END.

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ちばりよー日本

 


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