「蔵ー!おはよ!」
「おはようさん。名前は今日も可愛ええな。ちょっとスカートん中に頭つっこんでええ?
いい訳ねぇだろ朝から盛りやがってこの万年発情期絶頂男。ほら、学校行こう?」
「おう!行こ行こ!」


















 
 
俺は忍足謙也。四天宝寺中学校3年2組の、ごくごく普通の中学生。

普通の俺は、今日も普通に登校し、授業を受け、普通に昼休みまで過ごして一日を終える筈だった。そう、筈だったのに。


「名前、その玉子焼き一回名前が噛み砕いてから俺に口移しして欲しいんやけど」
両目に玉子焼きブチ込まれたくなかったら黙れ。はい、蔵アーン」
「アーン」



お分かり頂けるだろうか。
もう一度ご覧頂こう。



「んんーっ!美味いわ!」
「そう?嬉しい!」
「感動したから胸触らして」
利き腕全部突き指しろ。えへへ、また作ってくるね!」


俺の目の前で白石と名前が昼食をとっているのだ

もうこの会話を聞けば分かってくれると思うけど、コイツらは仲が良いんだか悪いんだかサッパリ分からん。白石は二言目には下ネタしか言わへんし、名前は名前で恐ろしい事をスパッと口にする。
俺からすれば白石は頼れる部長やし、名前も大切なクラスメイトや。別に嫌っているわけではない。ないのにこのカップルの会話に混じりたくないと本能が拒否する。
…ああ、もう。いつもは屋上で食べとるクセに、何で今日は俺の席の目の前なんや。お陰でいつも一緒に昼食をとる友達に置き去りにされたわ。


「ちょっとトイレ」
「名前、ちゃんと一人でできるか?手伝ったろか?」
鞄いっぱいに納豆流し込むぞ。いってくるね!」

 
ほんま、何で白石は名前と付き合おうてんのやろ。俺あんな事言われたら一発でくじけるわ。


「なぁ白石」
「なんや?」
「自分、ドMか」
「急に何を言い出すんや」

 
困ったように肩を竦め、女の子を悩殺する笑顔を振りまく白石。しかし俺は知っとる。この笑顔を先日「何ニヤついてんだキメぇよ」と名前に切り捨てられていた事に。


「名前にボロクソ言われて、ようくじけんなぁと思うて」
「ああ、せやってあれ…」




名前の照れ隠しやからな



そう言った白石の顔は、俺が呆れる程穏やかだった。



「…ただいま!うわっ蔵の顔、超気持ち悪い!







END.

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▼白石の 悩殺スマイル!
▼しかし 名前 には 効かない!
そんな話を目指しました。

アンケートの「変態白石とラブラブ!」
こんな感じで如何でしょう…!!
 
 


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