「うわー雪だ。
朝から寒いと思ってたんだよねー!」
そう言いながら窓枠に手を掛けて校庭を見下ろす名前を見る。
《嗚呼!!めくるめく浪漫》
冬服の長袖の制服の上にカーディガンを羽織ってはいるものの、肝心なとこが守れてへん。
そう。脚や。
雪が降るほど寒いのに、ハイソックスに素足のままや。
他の女子はニーハイやらレギンスやらで身を守っとるが、名前はまだ夏から何も変わっとらん。
だが、ニーハイやレギンスは邪道だ。
まずニーハイなんてうちの中学の制服じゃ意味があらへん。
膝丈のスカートなのにニーハイって…
宝の持ち腐れや。
タイツなんて股引きと同じようなもんやろ。レギンスもや。
名前が履くんなら断然ストッキングや。黒色の薄めのやつな。
ストッキングは若干薄いだけでめっちゃエロさが増す。
生足もええけど、あのエロさには何でも勝てへん。
いちばんのエクスタシーや。
そのストッキングが普通に見れる時期が来たんや。
それなのに、名前はおろか、他の女子もレギンスやらニーハイばっかりでストッキングをはいてるんは居らへん。
流行りが何やねん。
そないに派手な柄がプリントされてて何がええんや。
そんなんで喜ぶんは謙也の従兄弟だけやで。
せめて名前だけでも履いてほしい…!
既にストッキングは用意済みや。
ぬかりはあらへん。
後はスムーズに事を運ぶだけや…。
よっしゃ。
「…なぁ、名前」
「ん?」
「そろそろ寒なってきたなぁ。
自分は寒ないんか?素足やん!
女の子は暖かくせなあかんで!」
これで「寒いんだよねー」と切り返してきたらストッキングを渡せばええ。
パーフェクトや…。
「あー。多分夕方には寒くなるだろうなと思ってちゃんと持ってきたんだよ!
持ってきてよかったぁ。履いて帰ろ」
な、なんやて…!?
せやけど、これで薄い黒やったらパーフェクトやで…!
「蔵しかいないし、ここで履いちゃえ。
ちょっと後ろ向いてて」
「お、おん」
この場で…だと…。
いや、ここで焦ったらあかん。
パンツごときでは釣られへんで…!
ここは堪え忍ぶんや!
「…――よし。もういいよー」
ついに…ついにこの時が…!
焦らず、先ずはクールに振り向くんや…!!
「おお。ほな帰ろか――…」
スカートの下にしたに伸びる
すらりとした
…サイドに三本のラインが特徴的な
……紺色の…――
「かえろかえろー」
学校指定のジャージ
「そこは黒のスケスケストッキングやろ――!!!!!!」
「ぎゃー!!!!何してんだこの変態!!!!!!」
END.
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ジャージを高速で下ろす
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名前の鉄槌
↓
見てた謙也「( ゜д ゜)」
こんな白石は嫌だシリーズ(笑)