「…それじゃ棒読みやでユウくん。」
「うぅ…どないしたらええねん…」
部室の裏から何か聞こえる。
声から察するに、ユウジと小春ちゃんだろうか?
何してんだろ?
怪しい事でもしてるんだろうか…。
ちょっと覗いたろ。
「…小春っ!!大好きや!!!!」
「アホ!!うちに言うてどないすんねん!!
付き合うてやってんやから真面目にやりや!!!!」
「あいたっ!」っと言ったユウジは、小春ちゃんによってチョップされてた。
見た目的には、小春ちゃんに説教くらってる様にしか見えへん。
ユウジは逃げ腰やし。
ネタあわせとかかな?
「練習でもちゃん言うんや。
なんなら、うちと思わんように目瞑って言うてみ」
素直に目を瞑って深呼吸するユウジ。
よっしゃ。今のうちに近づいてユウジ脅かせたろ。
小春ちゃんには見っかるからバレへんように小春ちゃんに合図出しつつ…
あ、小春ちゃん気付いた。
しー、やで!
人差し指を立てて合図をしてみる。
よし。小春ちゃんも解ってくれたっぽい。
今のうちに近づいて……
「名前」
へ…!?
ユウジにも気づかれてたんか!?
もしやこいつちゃんと目瞑って無…
「…好きやで」
……え?
「…っ――あー!!!
やっぱりはずいわ!無理やわ!
小春、やっぱ俺―――…
―…って!!!?」
一人で慌てふためいて目を開けて、うちの姿みて更に慌てたユウジ。
いや待ってくれ、今はうちも混乱中なんだが…。
こいつ、今何て言った…?
「ぁ…ちょ…こ、小春!?
なんで名前が…!?」
「なんや、万事解決やない!
ほなら、うちは邪魔になってまうから先に帰るわ♪」
「ま、待ってや小春っ…!!」
ユウジの声も虚しく、小春は軽い足取りでコートへ戻ってしまった。
そして、なんだ?
ここはうちが何か言わなきゃいけないんか?
何を?
沈黙が痛いっ…!
「あー…今のは…」
ひたすら言葉に詰まってると、ユウジから話しかけてきた。
さっきのはなんだというんだ。
「…れ…練習やから…」
え、練習って。
練習だからなんだと?
「だ…だから何…?」
何でこっちまで恥ずかしい思いせなあかんねん…。
「せ、せやから……
――…今から本番や…!」
行きなりマジ顔になるユウジ。
な、なにそれいきなり。
本番って、なんや?
ちょっとまてや。先に一から教えてくれ。
そんな言葉の数々を纏めきれず声に出せないまま戸惑っていると、真正面から向きなおられた。
だからマジ顔止めろって。
これじゃ…
「…好きや、名前。
付き合うてくれへんか?」
「…うん」
うちが落とされたみたいやないか。
END.
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「うちが告白しよう思とったのに」