俺の好きな人は、

舌にピアスをしていた。













「かっこええやろ?」

そう言って舌を出す。

赤い小さな舌に開いた穴。


俺の伝わらない想いは、
この舌先のピアスで寸断されてるんや

そんな事を本気で考えた。




先輩。 名前先輩。
知ってますか。

嘘吐いたら
閻魔様に舌抜かれるんやで。




「光、うち好きな人できた」




俺の事、かわええって
むっちゃ頼りになるって
言うとったのは嘘ですか。


俺だとアカンのですか。


「名前先輩のこと
ずっと好きでした」


その赤い舌を引っこ抜く事も、
「行かんといて」と
泣きつく事も出来ん。

勇気もプライドも捨て切れん
情けない俺の声。




「おおきに」




そう言って笑う口元は微笑んでいて
いつもの綺麗なピアスが見えない


俺だけが見れると
いつも自惚れていた
愛しい貴女の綺麗なピアス

横に居るのに酷く遠い
もうこうやって今まで通り
話をする事も叶わへん

片膝を抱えた俺
隣に座る貴女



もうこの夕日が落ちずに
時が止まってしまえばええのに





END.

***************
 
失恋財前。
盛大に胸が痛んだので、きっともう書きません(ブルブル)




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