※隠語注意





1円。10円。200円。
面白い、どんどん上がる。

大きな電子脳の窓口で、私のお値段は上がってゆく。もう1500円。完全中古品ですが美品で、まだまだ使えると思います。なんちゃって。


「何さっきからニヤニヤしとん」
「自分をオークションに出した」
「は?」
「見て、今3700円」


光の綺麗な目が、私の電波発信機器に釘付けになる。それが面白くなくてピンク色の派手なそれをベッドに放り投げてやった。弧を描いてベッドに着地した電波発信機器よ、地球は青かったかい。


「光の目は緑色ー」
「アホ。はよ出品取り消し」
「やだー」
「ほんなら俺が言い値で買うたる」
「分かった取り消す」


私のお値段は34200円以上は計測不能でした。だって私は大好きな大好きな光に買って貰うんだから、世界の相場なんて知ったこっちゃない。さよなら、受付窓口。


「消した!」
「お前、幾らで買うたらええ?」
「キスして」
「ん」
「抱き締めて」
「ん」
「頭、撫でて」
「ん」

「愛してるって言って」
「セックスしよう」
「ずっと傍にいて」
「一生私の隣にいて」
「私だけを見て」
「あの子のとこに帰らないで」
「電話に出ないで」
「好き、好きだよ光」
「光は私の事、好き?」


そうやって悲しそうな顔するならいっそ殺してくれればいいのに、と言って泣いても世界は私に優しくなんてなってくれない。


















END.

*************************

やや病みヒロイン、かぁ…





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -