「…」
「ちょ、お前何しとんねん。オクラでもないもん寄越すな」
「だってこんなん食べ物じゃないし。」
「尚更寄越すなや」
《それは飾りですか?》
今日は遠足。
お菓子は自分の食べれる分で良いようだが、バナナはお菓子に含まれない。
そんなルールの基、私たちは遠足と称した山登りへと来ている。
「何や。お前これ嫌いなんか」
「当たり前じゃん。パセリなんて食べるの小石川ぐらいだ。こんなの食べ物じゃない。
て言うか飾りでしょ?」
私のお弁当の中に潜んでいやがったソイツをコッソリユウジの弁当箱に投げ入れてやったハズなのに、既にバレた。
なんでだ。色が同じオクラの直ぐ側に投げ入れたのに。
「その食べられない飾りを俺に寄越すんか?」
「ユウジはオクラも食べるからパセリもいけるかなって。」
「オイ、オクラへの冒涜か」
目がマジだった。
なんだよ。オクラなんて野菜なのにネバネバしてるじゃん。
納豆とかと同じにしたら殴られたし。
「とにかくいらないからあげる。パセリキライだもん。」
「やかましいわ。自分の弁当に入ってたもんはちゃんと食わんかい。」
ユウジは再びパセリを投げ返してきた。
小石川いたら小石川のに突っ込んでくるのに。
ちくしょう…いっそのこと自然に帰してやろうか。
そうだ。きっとコイツを地面にそっと指して傘持って踊ってれば一晩で延びる。って千歳が言ってた気がする。
ドングリって言ってた気がするけど、ドングリより木らしいし、ぜったイケる。
ほら、森へお帰り…
「何食いもん粗末にしてんねん」
「じゃあユウジが食べ――…ぇ、ちょ…むぐ」
無理矢理突っ込まれた。
パセリ突っ込まれた。
全力で抵抗してみるも、何てったってユウジ男だし。背は私とそこまで変わらないけど。でも力じゃ勝てない。
ちょ、鼻までつまむな。苦しいからマジで。パセリとか食べ物じゃないから無理だって、せめて粉末にしてぇぇぇええ。
の、んだ。のか?
よくわからないが、飲んだのなら丸のみしたきがする。噛みたくなかったし。
ユウジも解放してくれたし。
文句を言ってやろうと涙目で睨んでやると、ドS顔でドヤ顔された。
イラッときた。イラッと。
ユウジのオクラ弁当ひっくり返してやる。
全身ネバネバにして卑猥なことにしてやる。
まずはそのふざけた弁当をぶちこw「コラー!!最後尾二人!やかましいわ!!どんだけの早さからの早弁やねん!!!!」
ナイスツッコミと痛烈なハリセンをありがとう先生。
そう、私達の遠足は10分前くらいから始まった。
END.
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「ユウくんもうちがあーんしたらなパセリ食えへんやろ?」
「ちょ、こはる、やめt」
小春ちゃんカッコイイ。
そしてうらやましい。
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