「名前、今日はすみませんでした」

「?」

「騒がしい上に退屈でしたでしょう」



部活の帰り道、木手は名前の手を引きながら不意に呟いた。
結局部活の内容を半分程削り、部員が皆名前と遊んでいたのだが。


「ううん!あのね、楽しかった。知念くんが肩車してくれたし、慧くんがお菓子くれたよ。あ、甲斐くんも遊んでくれた!」

「そうですか」


にこにこと笑う名前につられて木手がフッと笑うと、名前が「凛くんがね、おっきくなったら俺のお嫁さんにしてやるって言ってたんだ」と衝撃発言をした。
木手がニヒルな笑みのまま固まる。


平古場くんは明日ゴーヤですねという怒りを燃やしながら、再び名前に尋ねる。


「名前は平古場くんと結婚するのですか」

「ううん、しないよ。」


名前が道端の小石を蹴飛ばしながら歩く。草むらに飛んでいった小石から目を離し、彼女は真っ直ぐに木手を見つめた。



「名前は、永四郎お兄ちゃんと結婚するの」


夕日で真っ赤に染まる木手の顔は、夕日が沈んだ後も赤みが取れなかったそうだ。






END.


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凛くん逃げて、超逃げて
 


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