とある日の早朝。


まだ園児も、先生も誰も来ていない幼稚園。
私は一番乗りで幼稚園に出勤した。


「たまには誰よりも来て、掃除なんかをやっておこう!」


――と思ったが、流石白石先生…。

夜の間に僅かに舞ってしまった程度の僅かな埃以外落ちていない。

完璧主義者の彼の手にかかれば、毎日の帰り際の掃除だけでここまですることができるのだ。


そういえばゴミなんて落ちてるとこ見たこと無いなぁ…。

しかたない。とりあえず何か変わった事とかはないか見て回ろうかな。


とりあえずエプロンを着て、園内を見回ってみる。
やっぱりどこも整理整頓は抜かりない。


――…あれ?なんかこのロッカーだけ汚い?

えっと…あ、私と白石先生担当のすみれ組の【とおやま きんたろう】くん?

あぁ、あのいつも元気に走り回ってる子…だったかな?
それにしてもこのロッカー…

拭いてもとれないのであろう、泥?みたいな汚れがいっぱい。


でも、白石先生が掃除してもとれないような汚れって…。
なにがあったんだろうか?



そうこうしていると、ふと園庭にふと影が見えた。
あれ?誰だろ。

なんかめっちゃおしゃれな服来たモデル体系の格好よさそうな…。
誰かのお父さんかな?

そんなことをぼーっと見ている間に、その男の人は職員玄関の方に…
あれ、わざわざそっちから入るんだろ?
なにか用事かな?

職員玄関まで行って、顔を覗かせてみると、最近聞きなれた声が聞こえた。



「おぉ、名前先生、おはようさん。自分早いな」


ん?

え?
白石先生?


あの小豆色の袖口と裾が窄まってて、チャックとかがついちゃってる、いわゆるイモジャーを着ていた…


白石先生?
(大事な事なので二度言いました。)


そして、いつもどおりのイケメンスマイルは、イモジャージという隔てがない今、殺人的に輝いていた。

私服はもうおしゃれにストールとか巻いちゃった位にして、
だけどそれがすごく似合ってる。さすがイケメンだ。
さすがは完璧主義者…。パーフェクトだ…!



「た…たまには皆より早く来てみようとおもったんです」

「えぇ心がけやな」


おぅふっ…
その笑顔、殺人的…!

人は服装ひとつでこんなに変わってしまうものなんだなぁ…


「それじゃ、まずは着替えてからやな。」

「あ、はい」


ちょっと待っとってな、と言って白石先生はエプロンを取りに行った。

なぁんだ。他の先生は私服に近い格好なのにいっつもあんなジャージ着てるから、もしかして服のセンス無いのかと思ってしまった。
運動とかするときはそりゃジャージの方がいいもんね。
たまたま自分がそういう日に当たってただけなんだ。びっくりした。


「よっしゃ。ほな、園児が来る前に終わらせたい事があるんや。
付いて来てや」

「あ、はい!って、

なんでまたそのジャージなんですか」






やはり白石先生はどこか人とは違うと思った。
そんなある日の朝。





つづく


 


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