walker&walker


ゆっくりと意識が覚醒しだした。頭をかいて、ぼーっと窓の外を覗く。夢っだったのか。また。
気づくといつもこのベットの上で、辺りは雑誌が足元を埋め尽くしている。朝日が差し込む中、憂鬱な気分にひたり僕は服を着替え始めた。
散乱した雑誌を踏みつけながら部屋をで、簡単に朝食を食べ終え、顔を洗い、家を出た。カギもかけて。

通学路の風中道でいつものようにアイツが待っていた
「ソウタちょっと遅ーぞ?新学期そうそう遅刻って、まぁ近道すっから大丈夫だけんどよ」
「ごめん、ちょっと家の戸締りにもたついてた」
「そういや、ソウタん家って両親出張中だっけ?」
「ん、そう。ちょっと大変」
友人のケンタの腕は筋肉質で日焼けしていて、夏服の制服から見えてる。きっと夏休み中はずっと外で部活していたのだろうなぁ。
残暑の残るコンクリートロードを早足で歩いていった。



新学期そうそう、授業があるのはうちの高校だけだろうか?
長い数式をノートに写しながら思うのは自分だけじゃないだろう。僕は教室の窓を覗いた。ふと夢の人物を思い出した。きっと、彼女はこんな空間にいなくて今もどこかで跳ねているのかなと思う。
窓の外の雲を見つめていた。ふと、目を斜めにずらすと見つめていたのは僕だけじゃなかった。もう一人の閲覧者、ヒトミ。
ぼーっと眺めていて手は止まっている。完全に止まっている。
動いているのは窓の外の雲だけのようだった。
彼女の空を見つめる目に吸い込まれそうになる。でもなるだけ。
彼女も何かを追ってるのだろうか?
僕は、また青い空を見て考え出した



「ソーターさっきさぁ、ずっとヒトミちゃんみてたろ?ソウタまさか好きなのぉ?」
休み時間、ケンタはにたにたして僕に尋ねてきた
「見てないよ、空見てただけ。そう見えただけじゃない?」
「ホントかなぁ?でも、ヒトミちゃんって不思議な感じだよな、お前みたいな感じってか?」
「それって僕が不思議ちゃんって意味でもあるじゃん」
「そうだろ?ずっと空ばっかみてるしさ。なんだったら、俺様がヒトミとの交際第一歩を与えてやろう!」
「ざけな、ちょケンタ!」
ふざけて彼女の席に歩き出したので必死で止めた。顔が熱い。恥ずかしいからやめろと言ったところで聞くはずもく、ケンタはヒトミの席の前にきて何かを描いている彼女に向かって
「あのさ、ヒトミちゃんのアド教えて欲しいんだけどいい?」
そんな直球の球を投げるのが恥ずかしくないのか!?と小声で注意したが、彼女は手帳を閉じてゆっくりと口を開いた。
「…いいよ、でも今は携帯いじっちゃだめだから、放課後教えるから。うん」
勝手な友人のせいできっと迷惑してる。放課後に謝りに行こう。でも、今は謝れない。ケンタがいるから。

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