愛してるって。



私は今、ある奴に悩まされている。
そいつは、いきなり現れたり好き好き言ってきたり結婚しろとか言ってきたり抱きついてきたり…とまぁ一言で言うとうざい奴。

でも、そんなこと言っていても、絶対サタンの中での一番はアルルだ。
…それなのに、私はいつの間にかサタンに惹かれていた。

あのたまに見せる優しい笑顔に、惹かれていった。
自分でも好きになるなんて1mmも思っていなかったから、吃驚している


そして、少しでも気分を変えるために今日は一人で外を散歩中。
…だが出るのは溜め息ばかりだった



「はぁ…」
「どうしたのだなまえ、溜め息なんかついて」
「うわあ…会いたくない奴に会ってしまった…」
「またそんな嘘を…本当は私に会いたかった癖n」
「嘘なんか言ってないし」
「…目がマジだな。泣いていいか?」
「泣けば?」
「……ぐすん」


会いたくないなんてもちろん嘘。
こいつ、サタンに会うとついきつい言葉を吐いてしまう。

…今はサタンといると、なんかモヤモヤする。一人になりたい


「あたし帰るから。一人になりたいの」
「そ、そんなに私といるのが嫌なのか…!?」
「うん」
「ガーン!」

あぁ…もう少し素直になれないのかな私は…
これじゃあ、サタンからも嫌われちゃうよ。…あ、別に嫌われてもいいかな


「なまえ」
「はぁ…なに、まだなにかある…の……?」


名前を呼ばれたので、サタンの方を振り向くといきなり抱きしめられた。
サタンの髪が顔に当たってくすぐったい。
というか、何故抱きしめられてるのかわからない。…やばいぞ、心臓がバクバクしてきた


「さ、サタン。離してよ」
「離すものか」
「…ちょっと、私一人になりたいって言ったでしょ……」
「何か悩み事でもあるのか?」
「……は、」
「最近、溜め息ばかりついているぞ。何かあるなら私に言え」

…なんだ、バレてるのか。
でも、サタンのことで悩んでるんだ!…なんて、本人に言えるわけない。


「…何もないって」
「嘘をつくな戯け。いつものお前ならもう少し元気がいいぞ」
「…」

そう言って微笑むサタン。
…くそ、その顔で微笑まれるとこっちの心臓が持たないよ


「それに、私はなまえの笑った顔が好きだからな」
「…そ、その台詞は大好きなアルルに言ってあげなよ。なんで私に言うの」
「愛してるからだ」
「……え?」

今までに聞いたこともない、真剣なサタンの声。
それに、"好き"…ではなくて、今聞いたのは、"愛してる"だった。


「私もいつからかは分からんが…いつの間にか、アルルよりもなまえを好きになっていたのだ」


…私、夢でも見てるのかな


「ちょっと目覚ましてきます」
「夢じゃないぞ!?」
「いや、夢に決まってるそうに決まってる」
「…」
「!?い、いひゃい!いひゃい!離しぇ!」
「痛いだろう?もっとしてほしいか?」

ニヤニヤするな馬鹿。
…と言いたいところだが、本当に痛いので首を横に振る。

「涙目のなまえも可愛いぞ!」
「…うるさい変態」


あぁもうそんな台詞を私に言わないでほしい。
恥ずかしさで、頬が赤くなってしまう。

するとサタンは、私の顎を持ち、上にあげると自分の唇を私の唇へと重ねた。
…所謂、キスというものをされたらしい。


「…な、なん、」
「愛してるからだ!」
「二回言わなくていいから!」
「大事なことだから二回言ったのだ」
「…」

はぁ…頭が痛くなってきた…
…だけど、心の中では"嬉しい"という気持ちがどんどん高まっていく。

今まで以上に、サタンを好きになっていく


「……も」
「ん?」
「…あたしも、サタンのことが…好き」

あああ言っちゃった…!
み、皆の衆見よ!このサタンのぽかーんとした顔を!写メを撮りたいと思わないか!?思うよな!?(落ち着け)


「…なまえ」
「なっなによ」
「好き、ではないだろう?」
「…は?」
「"愛してる"、ではないのか?」

…それはつまり、私に愛してると言えってことですよね?そうですよね?
くそ!サタンの顔がすっごい楽しそうだ腹立つ…!


「あ…あ、あい、」
「わくわく」
「あい…あい、してる」
「…」

…死にたい。恥ずかしい。穴を掘って入りたい
そして何も言わずこちらをじーっと見るサタン。…気まずい

「なっなんか言ってよ!」
「…」
「おいこらサタン」
「え、あ、いや…すまない。なまえのさっきの言い方が可愛すぎてだな…」


襲ってもいいか?
なんて聞いてくるサタンには腹にパンチしておきました。


「ぐふっ…!い、今のは冗談だ!」
「…」
「私も、愛してるぞ」
「…うっ」

あぁ…そんな甘い言葉を耳元で囁いてくるなんてなんて奴だ…!
こいつ絶対、私を殺す気だ


「ということで、私とハネムーン☆しようではないか!」
「え、どういうことなの?!…っちょ!降ろせ!」

いきなり、私を抱き上げてハネムーンとか言い出したこいつは何なのだろうか
さっきまでの甘ーい雰囲気はどこにいった?
…恥ずかしいけど、少しの間なら、なんて少しでも思ってしまった自分を殴りたい


「…少しの間、このままでいいかな」
「なまえが、デレた…!?」
「うるさい!」

本当に一々うるさい奴だ。さっきから雰囲気ぶち壊しだよ

サタンは、一時黙るとこちらに顔を向け、あの優しい笑顔を私に見せた。
…私の一番好きな顔。その笑顔につい見惚れてしまう

その見惚れている間に、本日2回目のキスをされた。
そして、私を抱きしめるとまたも私が恥ずかしくなる言葉を吐いたので、少しだけ力を弱めたパンチを腹に当てておいた。


サタンは結構痛かったのか、腹を押さえ涙目になっている。
…弱くパンチしたはずなのに


そんなサタンに、私はこう言ってやった






「これからはサタンからだけじゃなくて、私からもたくさん言うよ



愛してるって。




(これからも、貴方を愛し続けます。ずっと、いつまでも)




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ひええええ恥ずかしいいいいい!!(黙
いや…なんていうか…相変わらずのぐだぐだ感すみませ…orz

優羅様キリリクのサタン様の甘々夢でした!
甘々夢…難しいな…

それでは優羅様、キリリクありがとうございました^^
※優羅様のみお持ち帰り可能です

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