私だけの可愛い姫
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「…」
「もっふもふ!もっふもふ!」

な…何なんだろうか…この、黄色い着ぐるみは…私の目がおかしいの?
サタンさまがカー君の着ぐるみを着て嬉しそうにもふもふ言ってるなんて私は信じない信じちゃいけない

サタンさまは変態だけどイケメンなんだから。イケメンがこんなことする訳がない

「…よし。見なかったことにしよう!」

そう。そうすればいい。
何事もなかったかのようにこの場を去ればいい。うん、そうしよう


「む?なまえではないか!」

あぁぁ…見つかってしまった…!
いつもは皆に、え?いたの?って言われるぐらい影薄いのになんでこういう時だけ見つかるの!?

「ど、どうもサタンさま…」
「今日は早いのだな、散歩か?」
「ま、まぁ…そんなとこです」
「そうか!私も散歩中だ。一緒に歩こうではないか!」
「えっ…」

どどどどうしよう…!
ほ、ほんとはサタンさまと歩けるとか嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだけど
なんだろう、今はすごく一緒に歩くのが嫌だ。

「…サタンさま、その着ぐるみは…?」
「ん、これか?カーバンクルちゃんだ!」
「いやそうじゃなくて。なんでそれを着ているんですか…!」
「カーバンクルちゃんと一心同体になって何が悪い!」
「誰も悪いとは言ってないじゃないですか」


私は外で着るなと言いたいんだ



「と、とりあえず!今のサタンさまとは…あ、歩きたくない…です」

う、うぅ…断るのが辛い…
せっかくサタンさまが一緒に歩こうと誘ってくれたのに…
でもこんな格好したサタンさまと歩くなんて本当に嫌だ

「…なまえ」
「な、なんですか」
「さては嫉妬だな?」
「はっ?」

嫉妬…?
はて、私はいつ誰に嫉妬をしただろうか…うーむ…


「そうかそうか。そうだったのだな」
「なに一人で納得してるんですか」
「そうとならばこれは脱ごう!」

え、ここで!?ここで脱ぐの!?
ちょちょちょ、いくらなんでもここで脱ぐのは…!

…と思っていたが、バッと脱いだサタンさまの姿はいつもの服を着たサタンさまだった。ですよねー

「なんだなまえ、期待したか?」
「いいえ全然」
「顔に期待してましたと書いてあるぞ」
「え、嘘やん」
「何故関西弁になったのだ」

思っていたことがバレて、つい関西弁になってしまったテヘペロ


「いつもの姿なら嫉妬しないだろう?」
「いやその前に嫉妬なんてしてn「では行こうかなまえ!」え、ちょ!」

ぐいっと手を引っ張られ、恥ずかしさのあまり何も言い出せない私。
心臓がばくばくしてるやべえ

そんな私の前を歩くサタンさまの背はとても大きくて、なんだか私が少し小さくなったみたいだ。


「…こうやってなまえと歩くのもいいな」
「え?」
「また散歩をする時は私に言え。家まで迎えに行ってやろう!」
「えぇ!?迎えにだなんて…迷惑じゃ「迷惑などではない」



「このサタンさまが直々に言ってやってるんだぞ。遠慮するな」


そう言い、サタンさまは少し微笑んだ。
その笑顔は誰よりも素敵で、私は少しの間見惚れてしまった。あー…ほんと、この人に惚れてるんだな私。


「?なまえ、どうしたのだ」
「…あ、いえ!なんにも!……あの、サタンさま」
「なんだ?」
「その、お願いしてもいいですか?お迎え…」

頑張った。今まで以上に頑張ったよ私。きっと私の顔は今、真っ赤だろうな…

するとサタンさまは、私をぎゅうっと抱きしめ耳元で何かを囁いた。
その言葉に私は、頭が爆発しそうなくらい赤くなった。









もちろんだ、
私だけの可愛い姫

                」



(こんの…台詞が甘すぎるよサタンさま…!)






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誰てめ
私の知ってるサタンさまじゃないぞどうしよう…

書いてる自分の方が恥ずかしくなったわ

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