大切にするね
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ピンポーン。
家でのーんびりしているところに、インターホンの音が鳴った。誰だろうか、こんな朝早くに…
シグとかがまた遊びに来たのかな?


「はい、どちら様で…」
「お前が…欲しい!!」
「…」

バタン。

さてと、朝ご飯を作ろうかな。

「何故閉めるなまえ!」
「いや、目の前に変態がいたので」
「変態じゃない!シェゾだ!」
「え?何?変態じゃない変態だ?分かってるって」
「誰がそんなこと言った!?」

お前どんな耳してんだ!と言われたので、こんな耳。と自分の耳を指した。

「普通の耳だな…って違う!!」
「うんそうだね。じゃあね」
「待て待て待て!」
「…はぁ、なに」

お腹すいたのに…早くご飯食べたいってお腹が言ってるのに…

「これ」

変態シェゾから差し出されたのは、可愛くラッピングされた少し細長の箱だった。
…シェゾがこんなもの持ってくるなんて、なんか意外。

「……虫とか入れてない?」
「入れてねえよ!」

うん、だよね。いくらシェゾでもこんな箱に虫は入れないよね。入れてたら殴るけど

「家の中で開けていい?…入られるの嫌だけど、シェゾも入ってよ」
「…一言多いよな、お前」

でもそこが好きだ!なんて叫ぶシェゾは放っておいて、箱を机の上に置く。
なんだか、開けるのが勿体無いぐらい可愛いラッピングだな…

「開けないのか?」
「いや、開けるけど…勿体無いなあって」
「?何故だ」
「ラッピングが可愛すぎるから」
「そ、そうか…」

顔を赤らめるシェゾ。ちょっと可愛いなんて思ったのは秘密だ

「じゃあ、開けるね」
「あぁ」


そう言い、少しずつリボンを解いていき、なるべく綺麗に用紙を破いていく。

「…そんな綺麗に開けなくても」
「いいの」

この用紙可愛いし、出来れば取っておきたい。
そして、全部取った箱の中身には、私がずっと前から欲しがっていたネックレスだった。

「え、シェゾ…これ…」
「前から欲しいって言ってただろ」
「言ってたけどさ、なんで…」
「…たまには、いいところ見せないと、な」

あぁ…顔まで真っ赤にして。本当に可愛い。まぁ本人の前では死んでも言わないけど

「…ありがとね、シェゾ」
「!あ、あぁ…」


多分シェゾは気づいていないと思うけど、私はずっとそんなシェゾに惚れていたんだよ
変態だけど、男らしくて、優しくて、そして誰よりも私のことを見ていてくれて

いつの間にかシェゾは、私の中で一番の存在になっていた。



「シェゾ、」
「な、なんだ?」
「…このネックレス、」



大切にするね


(自分の気持ちを告白する時まで、このネックレスは大切にしまっておこうかな。)


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