そのとき赤い魂は、静かに笑った
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ここは図書館。
学校帰りには絶対にここに寄る。もちろん本を読みに
だが、今日変な人に出会った。…まぁ、知人なんだけどね。ちょっと違うっていうか…なんていうか…

「…」
「…」
「なんだ、私の顔に何かついているか?」
「こんなのクルークじゃなあああい!」

うるさい、静かにしろ。そう言われましたが無理です静かにできません

何なんだこの真っ赤な奴は!?誰なんだ!?
私の知っているクルークはもっとうざくてバカでいや頭良いけどお坊ちゃまカットでうひゃひゃひゃ!って笑う奴で…!

「お前はこいつの知り合いか」
「知り合いっていうかクラスメイトっていうか…」
「ふむ…」

顎に手をあて、少し考え込む赤いクルーク。
…か、かっこいい。はっ!何言ってんだ私!こいつはクルークこいつはクルークこいつはク(以下省略)

「?どうした」
「あ、いやかっこい…じゃなくてアナタハダレデスカ」
「何故片言なんだ。私はお前の知っているクルークだが?」
「嘘だああああ!クルークはな…もっとこう、真面目な奴なんだよ!そんなにチャラチャラしてない!」
「ほう…そうか」

怪しい笑顔で、赤いクルークは笑った。と同時に背筋がぞわっとなった。

「…貴方、クルークに憑いてる幽霊…とか?」
「幽霊…か。違うな、私は魔物だ」
「へえ。魔物か」
「自分から聞いておいてなんだその反応は」
「いや、幽霊じゃないんだなって思って」

幽霊なら今すぐ追い出してやるのに。魔物じゃ多分追い出せない。

「ま、いっか。読書の邪魔だからあっち行って」
「なっ…!先に私の邪魔をしてきたのは貴様だろう!」
「アレ、ソウダッケ」
「…。くく…覚えておけ、今度会った時はハイドレンジアを喰らわしてやる」
「え、ハイドレンジアってシグの技…って元のクルークじゃねえか!」

何だったんだ…あの赤いクルークは。
あー…もうちょっと見ていたかったな…

「……また私の前に来てみろ。ハイドレンジア受けてやるよ、魔物さん」





そのとき赤い魂は、静かに笑った



(というか、邪魔したのって私が先だっけ)



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