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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

 なにげなく触った恵のほっぺたがあまりにもガサガサだったので今日のお風呂上がりはシートマスクをつけてみることにした。

「目と鼻と口のところ調節して」
「つめたい」
「仕方ない。あとはシワにならないように顔に……」
「こうですか?」
「そうそ……ウワッ顔ちっさ! シートめっちゃ余ってるじゃん!」

 許せない! とキレても恵本人はよく分かってなかったし、相変わらずまつ毛はフサフサだったし、顔はかっこいいので言うだけ無駄だった。

「気持ち悪いです」
「わたしもパックしてる恵の顔気持ち悪く見える」
「剥いでもいいですか」
「だめです。あと五分ね」

 ヒイヒイ言いながら耐えたあとの恵のほっぺたは最強だった。若いっていいなあ。ことあるごとにモチモチと触ってしまって、流石にしつこいと怒られるかなと思ったけどそんなことはなかった。

「触ってもらえるならこの冷たいのも我慢します」

 可愛くて涙が出そうになったが嫌われたくなかったので我慢した。