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「みょうじさんって五条先生の何なんですか?」

 ここの信号長えなあとイライラし始めたころに後部座席から声がかかる。ルームミラーを見ると、聞いているくせに興味なさそうな顔をして伏黒くんは窓の外を見ていた。

「後輩ですが……」
「知ってます。でも、後輩以上の、特別扱いしてるように見える」
「そうですかね。わたしはそうは思いませんけど、まあ信頼はしてもらってると思います」
「……そうじゃなくて」

 求める答えではなかったらしく、機嫌がモロに声色に出ていた。信号が青に変わり、発進する。

「……五条先生と恋人なんですか」

 どこを見て!? 死ぬほどこき使われているのに!? と吹き出しそうになったが、表情が本当に辛そうで、苦しそうだったから、そんな酷いことはできなかった。あれ……あら……?
 また信号で止まる。重苦しい空気に何も言えなくなってしまう。他人の気持ちに、わたしがどうこう言えることはない。伏黒くんが今後仕事しづらくならなければいいけど、どうだろう。というか、はあ、そうか、伏黒くん、大きくなったなあ。