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 恵がお腹をおさえて、いかにも痛いですという顔をしながらいつもより遅い時間に帰宅した。ただいまの声も元気がない。

「お腹壊しちゃった?」
「はい」
「トイレは?」
「行ったけど痛いです」
「冷えたか悪いもの食べたか」
「わかりません……」
「そっか。とりあえず横になって。ほら」

 怪我は多いけど、頭痛だとか風邪ひいただとか腹痛だとかはそんなになかったから心配になる。着替えもせずにソファに横になってしまって、相当まいっていることがうかがえる。
 急いで毛布と使い捨てカイロを持ってきて、恵にわたした。もぞもぞと体勢を変えたあと、苦しげに目を閉じる。

「治んなかったら病院行こう。寝れそうなら寝なさい」

 頭を撫でる。うん、とひとつ頷き、すぐに眠りにおちていった。いつもより悪いその顔色を、代わってあげたいなあと強く思う。