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 くしゃみが止まらんとのことだった。

「布団きちんとかけて寝たのか?」
「服着ないで寝落ちしちゃった」
「ばかか?」
「ばかです、う、っくしゅ」

 電話の向こうで情けなくくしゃみを続けている。風呂上がりに下着でウロウロするのをやめられないと言うが、俺からしてみればやめられないって何だ、と思う。熱は頭痛はとひととおり聞いて、微熱と喉の痛みがあるという情報を得た。

「せんせ〜、今日来ない?」
「言われなくても行くよ。なんか買って行く」
「うん」
「あと電話で先生って言うな」
「近くに誰もいないから平気!」

 少しだけ寂しそうな声。電話しているところを生徒に見られると面倒なので気配を気にしているが、正直そんなん放り出したいくらいには心配だった。

「保湿のティッシュ買ってきて」
「うん」
「あと、今日ごはん作る気力ない」
「知ってる」
「午前中すごくぼーっとしちゃって、眠かった〜」
「そうだな」
「はやく会いたい」
「……うん、俺も」
「ほんと? うれし、くしゅ!」
「もう昼休み終わるだろ。ぼちぼち切るぞ」
「うん」
「無理そうなら早退、できるなら頑張れ」
「先生、せんせっぽい」
「先生だからな」
「そうだったね。電話出てくれてありがとう」
「どういたしまして」
「授業がんばってね」

 早退、本当はしてほしい。会いたいと言ってもらえて嬉しかった。