夢主の手持ちはマホミルとサザンドラ マクワがいつもしないような変な顔をしたから、なまえはマホミルと目を合わせ、そして表情をかなしげに変えた。二人で作って出したチョコレートを受け取ってもらえないと思ったのだ。添えた手が震えて、箱を引っ込めようとする。なまえの後ろで紙袋をくわえて持っていたサザンドラがマクワを睨んだ。 「いらない……かな?」 泣きそうなその声にマクワはハッと我に返り、あわてた。 「違います! その……う、うれしくて」 「本当?」 「本当ですよ。マホミルといっしょに作ってくれたんですよね。ありがとうございます、いただきます」 「……マクワくんのだけじゃなくて、あの、セキタンザンたちにもあるの」 振り返って、持ってもらっていた紙袋をもらってなまえはまたマクワに向き直る。渡されたピンクの袋にはさまざまな箱や袋が入っていた。 「帰ってから、みんなに渡しますね」 「うん……」 「……」 「……」 「か、帰る……ね。時間取らせてごめんなさい」 サザンドラ、行こう! 普段からは考えられないような大声を出しながらなまえはサザンドラの背に乗り、マホミルを抱っこして飛び去っていった。マクワはなまえの真っ赤な顔が忘れられず、そのまま立ち尽くし、それは腰に下げていたボールが揺れるまで続いた。 |