きっと君は

「大嫌い」

そう、涙を浮かべながら怒って出ていく君を
やっぱり可愛いな、なんて思ってしまう自分がいる

(嗚呼、相当依存してるな…)

なんて考えるけど、そんなの今更なことで…

(流石に…アレは禁句だったかな…) 

さぁ、これからどうしようか
いつも通りあいつが折れるのを待とうか
それとも、たまにはオレが最高級に甘やかしてみようか

クスクス、と
もれる笑みに更に可笑しくなる
オレが甘やかす、なんてお前だけ

嗚呼、なんて声をかけようか
声をかけた時の君の反応が容易に想像できる

きっと
驚きにただでさえ大きい目を更に大きくして…頬を紅くそめて…そしてきっと…






「なーあ、そろそろ機嫌なおせよ」

キュ
後ろから軽く抱きしめる、それだけで頬を紅くそめる君が可愛くて

「オレが悪かったって、な?許してくれよ」

耳元で囁いてやれば更に紅く染まる頬

「……」
「ん〜?」

頬に軽く口を当てる

「……ょ…」
「なーに?」
「しょうがないから許してあげるよ…ベル…大嫌い、なんて思ってない…大好きよ、ベル…」


ほーら、仲直り
ししっ
王子が本気になればこんなもん

「ししっサーンキュ、千夏ちゃん?」

お前の笑顔のためなら、オレらしかぬ事だってしてやるよ

頬を紅くそめた後はきっと…笑って許してくれるんだよな




オレの大事な大事なお姫様?


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