皆から好かれている性格の良いあの子といつも皆の輪の中心にいる明るいアイツ。
人気者の二人は仲が良くてお似合いで。
みんな口を揃えて言う。「はやく付き合っちゃえばいいのに」って。
「あの二人、今日も一緒に来たんだってさ」
「うそ! もう付き合ってんじゃないの?」
「そうかも! ね、どう思う?」
わいわいと人の恋に興味津々な友人達に対して、黙りを決め込んでいたのに
突然話を振られ戸惑ってしまい、曖昧な返事しか出来なかった。
「え、うん。そうだね?」
「ごめん、興味ないか!」
「恋の話とかあんまりしないもんね?」
ごめんごめん、と笑ってまたあの二人の話で盛り上がる友人達。
興味ないわけじゃない。恋が嫌いなわけでも恋の話がしたくないわけでもない。
だけど。
ガラガラと開いた教室。途端に盛り上がるクラスメート達。
その中心にはあの子とアイツ。
繋がれている手と二人の幸せそうに照れ笑う姿を見て、付き合ったんだと皆わかった。
口々にお祝いの言葉を発するクラスメート達と、それにお礼をいう二人。
……ああ。居心地が悪い。
「あれ、どこ行くの?」
「うん、ちょっと」
興味ないにも程があるでしょう。と笑う友人の声を背に、皆に囲まれれる二人を横に、教室を出た。
この想いを封印するよ
(幸せそうなアイツを) (祝福出来ないなんて、)
title:確かに恋だった
110213
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