22 月が、終わります。

[ 23/83 ]

「伊作くんよく頑張りました。」

病院の帰り、伊作くんの頭を撫でると
ありがとうございました。と丁寧に頭を下げられた

5日ばかり巣くっていた水疱瘡さんは、本日完全に追い払うことに成功しました。よかったね

「他の子にはうつらなかったし・・・」
「?どうしました?」

繋いでいた手を離して広げても、個体差で片付けられる違和感
首を傾げてる伊作くんの髪に触れ、毛先をいじる

「あ、あの、***さ」
「なんか、ハサミで切ったみたいに真っ直ぐだね。」
「えっ、」

こんなだったかと首を傾げてしまうが、ぱっと伊作くんが離れたため、髪は逃げてしまった
外でマジマジ見られたら恥ずかしいです!とぷんぷん怒っている伊作くんに謝って
今日の夕飯はカレーライスです。とまた歩き出した

伊作くんがなぜかほっとしていたけど、見ないふり。


完治したよーと帰って早々伝えれば、伊作くんを抱きしめた留三郎くんが本当にありがとうございました!と半泣き
その勢いに適当に頷き、ふと視界に入った小平太くんの髪をつかんだ
痛い!と解くように逃げた小平太くんにちょっとおいでと手招き
なんだ?と恐る恐る近づいてきた小平太くんの髪も、やっぱり毛先はぱっつん

「髪伸びたならいいなよ?切ってあげるから。」
「切ってくれるのか?」
「これよりマシには。」

そうか!と笑った小平太くんは、***はやっぱりいい奴だなと長次くんに同意を求め
長次くんは、小平太くんの意見に賛成するように頷いた




伊作くんが完治してからは、特にこれといった問題はなく
小平太くんと長次くん、伊作くんは元からだけど、そこに留三郎くんが加わり


1ヶ月過ぎた頃には、4人の子供にはすっかり懐かれていた

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