13 子供らしい

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「・・・・・・いま、何時?」

ゆさゆさと揺り起こされ、肘掛けにある携帯を開く
3:17と表示される画面に、起こした人物を見た

「何かあった?」
「・・・いや、」

起こしといてそれかと、じっとこちらを見つめてくる文次郎くんから顔をそらす
用がないなら是非寝たい

「・・・・・・」

暫く視線を感じていたが、いつの間にか眠ってしまっていた


「・・・・・・俺たちは、いつまで居ていいんだ?」

小さな小さな呟きに、そばまできた長次が文次郎の手をひいた




「じゃあ行ってくるから。仙蔵くん、よろしくね。」
「また遅いのか?」
「わからないけど、昨日よりは早いんじゃないかな?」
「そうか。」

イアホンをしながらドアをしめ、鍵をしっかりとかけ、早足でバス停まで向かった


上司の予測通り12時を少しまわったものの、午後は残らなくてよさそうだ
時間があるなら、布団を何組か買いたい。今二組の布団を敷いて横に使って寝てもらってるけど
あの布団たちは重いし、実家から持ってきたから古い
寝室には三組敷けばいっぱいだろうから、三組買おう

「・・・何で私、」

別にそこまでしなくてもいいじゃないかとおもう。大体、いつまでいるかなんてわからない

「三段ベッドとか、」

いやだから。と頭を抱えてしまう

ロッカーの鍵をしめ、ため息
面倒くさくなってしまったため、今日は大人しく帰ることに決定
大人しく帰路についた




「ただいま。」

バタンと閉まった扉に鍵をして、手洗いうがいで気づく
凄く、静かだ。物音一つしない
まさか帰った?と思いながらリビングに入れば、テーブルの上には空になった食器が重ねられている
そっとソファーにコートとバッグを置いて寝室を覗けば、六人が様々な体勢で寝ていた

「・・・・・・」

文次郎くん、立ちながらって・・・というのは飲み込んで、静かに襖をしめた

子供らしくお昼寝をするのは、正直意外だったからか
くすりと笑ってしまった


三時頃起きてきた子供らは、紅茶を飲んでいた私に驚いて
抱きついてきた小平太くんに紅茶を一口あげたことから

仙蔵くんと長次くんは紅茶
文次郎くんと小平太くん、留三郎くんと伊作くんは緑茶で
クッキーや金平糖で午後のティータイムとなった


クッキー1缶空になったときは不安だったけど、唐揚げは6枚分きれいになくなりました

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