「ごめんなさいは?クザン。」
「っ、ごめ、あっ、ん、ごめんな、さ、あっ、」

耳を犯す卑猥な水音は部屋に響いて羞恥を煽る
クザンは顔を上気させながらはだけさせたズボンから取り出した性器を扱いていた
そうしながら訴えるのは涙を浮かべ震える声で乞う許しだ

「なんだ?聞こえないが。」
「ごめっ、んんっ!も、やめたいっ、」
「ほら手を止めるな。」
「じゃあ出させて・・・!」
「駄目だ。」

ローションと先走りでズボンが染まる。アレクシスの目が冷え切ってるままクザンを見て、ぞくぞくと背を這い上がる気持ちよさにすぐイキそうになるが、アレクシスのネクタイが根元を縛ってるから頭おかしくなりそうだ
手を止めても勝手に腰が動いて、机に突っ伏して涎垂らして泣きよがりたい

「クザン。」
「ひんっ・・・!」
「はしたないな、執務中に涎垂らして自慰に耽って。」
「い、わなっ、あっ、」
「何を想像してこんな乱れているんだ。」
「あっ、あっ、」
「こんなにさせて。」

クザンは切なく喘ぐしかない。アレクシスの指先が先っぽに触れるか触れないかでさまよって、腰を振りながら触って欲しくてアレクシスを見上げる
アレクシスは円を描くように指を動かし、それに合わせてぴくんと震えた

「ほらクザン。」
「ごめ、ご、めんな、さ、あっ、あ、」
「しっかりしろ。」
「ごめんなさいいっ・・・!さわって、さわ、あっ、さわって!いひィィィッ!!」

くちゅくちゅと指先が亀頭を擽る。仰け反りめちゃくちゃに扱いて出してないのにイク。好きな人に触ってもらっただけでこれなんだから、他の奴らで満足できるわけない

「そろそろ昼休憩は終いだな。」
「ネクタイとって!出したいっ、アレクシスさん射精させて許してっ!」
「使い物にならなくなるまで我慢だ。それとも卿の謝罪の気持ちはそんなものか?」
「射精っ、射精したいださせて!しんじゃっ、アッ、」
「堪え性がないな。これをとるというのなら、卿との縁もそれまでだ。」
「ッ!!ひでっ、も、毎日、まい、にちっ、こんなっ、おれ、おれっ、あ、汚し、て、よご、っ、」

ぼろぼろと涙が落ちる。半月前のバカな自分を思い出して、またゆるゆると手を動かした。もう頭痛いし手も痺れているのに、アレクシスに嫌われたくなくて必死に自慰に耽る

「汚してっ、ごめんなさいっ・・・!」
「何を?」
「かおっ、か、おっ、」
「何で。」
「せーえき!おれのっ、おれの精液で、」
「どうして。」
「アレクシスさんの、あっ、あ!くちびる気持ちよくて!!もうしないぃっ!しないから許して!射精させて!」

血管が浮き出て浅黒くなった性器は熱を持ちすぎている。死ぬ。死んじゃうから、だから早くださせて!泣き喚くクザンにため息をついて、アレクシスは自分の唇に触れた。その指がゆっくりとクザンに触れて、寝ているアレクシスの唇にこすりつけながら出したあの背徳感を思い出してアレクシスの名前をひたすら呼ぶ
アレクシスはクザンの手に手を重ね、ゆっくりとネクタイを引いてはらりと落とした

「出るっ、出ちまうアレクシスさん出るっ許してっ、」
「今度は、起きているときに目の前ですること。」
「なんでもする!なんでもするから!」

早くよしをくれないと出ちまうから、だから、はやくよしがほしい。勝手に射精したら別れるなんていうんだ、そんなの、絶対、嫌だ。クザンは混乱しながら必死に頭を振り擦り切れそうなくらい手を動かす

「次はないからな。」
「うんっ、わかったから射精っ!」
「よしというまで抜くといい。」

腰が浮く。くぅと息を詰め唇を噛みしめ、自分の手もアレクシスの手も制服も、盛大に汚しながら射精した
しながらもアレクシスの手がクザンの手を動かすので、射精しながら射精するような快感に苛まれガクガクと震え天を仰ぐ

「随分と気持ちよさそうだな。」
「ごんな゛のッ、ぎも゛ぢい゛っ、い゛に、ぎまっで・・・!!」

さっきとは違う意味で頭がおかしくなる。クザンはアレクシスにもたれながらひたすら体をビクつかせ、大好きなアレクシスのニオイに脳みそがとろとろにかき混ぜられるような感覚に侵された

「まだよしではないが、終わりか?」
「やいますっ・・・!たくしゃ、んっ、らしますからっ、」

どろどろのプリンみたいな精液が出るたびに強烈な快感が生まれ、かけられる言葉もわからないくらいたくさん出して、飲み込めない涎と涙、鼻水を垂れ流す
アレクシスはクザンの頭を撫でながら、ピュッピュッと先っぽから濁っただけの液が出るくらいになっても狂ったように扱き続ける手をとんとんと叩いた。止めていいと許可をもらい、クザンはベチャベチャになった手でアレクシスに抱きつく
絶対これ、午後仕事になんねェよ。無理だって。最高によすぎて疲れた。頭の中でボヤいて、へにゃへにゃになっている体をアレクシスに預けた

「卿は被虐の趣味があるのだな。」
「アレクシスさん、だけっ、んっ、」

やべェ、びくつくのが止まんねーのよ。どうなっちまうんだ、おれ。悶えて喘ぐように自分の体に泣きそうになったクザンはピクピクと震える体が自分の意思を無視するのでアレクシスの肩に顔を埋めながら涎を垂らす
アレクシスが宥めるように背中撫でていたが、それがまた萎えるのを阻害していた

「アレクシスさ、だけ!あっ、きもちっ、い、」
「背中がか。」
「んああっ・・・!」
「変なスイッチが入ったか。」
「もっ、かえろ・・・?かえ、ろっ、アレクシスさ、ふ、」
「卿は俺に仕事を休めと言うのか。」
「甘やかしてくれた、って、ふあっ、い、いでしょ、うやっ!」

面倒な奴だと思われてる。絶対。でも、嫌われはしない。それはわかる。だからクザンはアレクシスにすり寄り、眉間にしわの寄る顔を見上げた

「めーれいっ、ぁ、なら、どう?」
「午後休をか。」
「恋人として、つ、いかで・・・っ、おれを、かまって。」
「卿は、いや。では大将青雉、午後は休みをいただこう。」
「や、った、」

声だけで勃起しているのだから、クザンのネジは今緩んでいるのだろうか。鉄仮面を崩さずクザンに触れたアレクシスはもう出ないだろうにと呟いてキスを一つ、とぷりと溢れたうっすい精液を塗りたくるように優しく触る

「クザン。」
「んんっ!ん、ふぁ、・・・アアッ、」
「ありがとう。卿のお陰で俺は、クザン?」
「ひっ、ひ、」

ガクガクと痙攣するクザンを心配そうに覗いたアレクシスは絶頂を越えた何かに意識が朦朧とするクザンを何回か呼んで、ぎゅうと抱き締めた

「落ち着け。」
「ふっ、ふっ、ふーっ・・・ふ、ふ、」

アレクシスのニオイだと嗅ぎ始めてしまったクザンは勢いのあまりイスから腰を浮かせアレクシスを押し倒し、耳の裏や首筋をべろんべろんに舐めまわす
驚くアレクシスはクザンを落ち着かせるために肩をつかんだが、それはクザンに絡め取られて床に押し付けられた

「卿は正気か、俺で興奮しているとは俄かに信じがたいが」
「あんたじゃねェと興奮しねーのよ、わかれよっ、何年一緒にいると!」
「すまない。もう俺も歳だ、流石にと思っていたのだ。」
「っ、こ、んなにっ、ぐちゃぐちゃになってんのに・・・!」
「気づいているか?俺も少し興奮している。」

え、と恐る恐るアレクシスの下半身へ顔を向けたクザンはズボンに触れ、ベルトを外し、下着をぐっと下げて硬度を持ちつつあるそれを外気に晒す

「・・・やべ、もう、そうやって、っ、どうしていいかわかんねっ、」
「卿が相手だからであろう。他ではならん。それだけでは、やはり駄目か。」

ただ抱き締めれば良いだけでは。アレクシスの言葉によりアレクシスを抱き締めたクザンはすりすりと股間をアレクシスのそれに擦り付け、息をつめた姿により強くこすりつけた

「クザン、」
「アレクシスさん・・・!」
「止めなさ」
「おればっかは不公平でしょうや!アレクシスさんもよくなってくんねェと嫌だ。」

ずり、ずり、と擦り付けるのは自分でも恥ずかしい。それでも刺激に反応してくれるのが嬉しくて欠片くらいは残っていた羞恥を捨てて、クザンはアレクシスを逃がさないように畳に縫い付けながら口づける

「好きです・・・っ、好き、ですから、させて、」
「何を。」
「なんでもいいっ、エロいことならなんでも!」
「なら、これでいいか?」

そっとクザンの体液で濡れそぼった性器をまとめてつかみ、アレクシスの手が優しく動いた。だがすぐに止まり、言い辛そうに苦笑する

「やはり恥ずかしいな、勘弁してもらえないか。クザン?」

きゅうと倒れたクザンの重さに気を失ったのだと判断したアレクシスは、さてどうするかとしばらくそのまま天井を見つめた
これが可愛いと思えるだなんて末期だと思いながら



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