一は


「ようやく見せていただけた素顔なのに、ちっとも嬉しくない・・・!先輩っ、起きてくださいよ!」
「先輩と伊作先輩がいてこその保健委員会なのに!」

周りが泣く中、僕たちは冷静に互いを見ていた。いくら泣こうが、先輩は戻られないから

「庄左ヱ門。」
「伊作先輩、ダメそう?」
「大川先輩にいただいた薬を焚いたから朝まで起きないよ。」
「おれたちだけでやる。そうだろ?」

先生は当てにならない上級生も当てにならない伊作先輩は壊れてしまいそうで任せられない。だから僕たちがやる

天女様に好かれてるきり丸がおびき寄せ兵太夫と三治郎の絡繰りにはめて、団蔵と金吾が助けに入って天女様を逃がしその足を虎若に撃ち抜いてもらう。天女様が一人で逃げるなら伊助と乱太郎が追い、団蔵と虎若に助けを求めるなら庄左ヱ門がわってはいりネタばらし。喜三太としんべヱに先輩方の誘導をしてもらう。

「一年が考える程度だし隙だらけ。それでも、今天女様は大川先輩のお陰で負傷中だし、時間が経てば善法寺先輩が手を出してしまう。僕たちが僕たちのやり方でけりをつけるには今が機会だ。」

やる?やらない?そんな質問意味がない。僕たちは立ち上がり、いつもの一年は組の面を被りながら行動に移した


悪いけど、先輩方の想い人だろうが関係ないんだ




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