「大丈夫ですか?小松田さん。 」
「う、うん!ごめんね、**ちゃん、」
「いえ、私は大丈夫ですから。」

ミスばっかの僕にいつも綺麗な笑顔で接してくれた**ちゃん
年は同じくらいらしいけど、全然大人で、それで、強いんだ

くノたまからの陰湿な厭がらせ。忍たまからの苛烈な暴力。そして見て見ぬふりを決め込む教職員。助けたいのに、一歩が踏み出せない事務員。皆同罪で、それに気づいてるのは僕たち事務員と食堂のおばちゃんだけ

**ちゃんが姿を消したなんて、僕、すごく後悔したんだから
早く勇気を出せばよかった、助ければよかった、声をかければよかった、君を、守ってあげなきゃいけなかった

「小松田さんは私の先輩なんですから、呼び捨てでいいですよ。」
「そ、そんなことできないよ!」

空から降ってきた怪しい人に緊張していた僕の力を抜いて、自然体で接しさせてくれた優しい**ちゃん
折角僕なんかを雇ってくれた学園長にもの申すだなんてって躊躇っていた自分が、今すごく情けなくてたまらない

「小松田くん。」
「食堂のおばちゃん、」

**ちゃんを気にかけていた食堂のおばちゃんと一緒に学園長を訪ねて、粘り勝ちで取った**ちゃんが無実であることを立証してくれるであろう、チャミダレアミタケ城への**ちゃんに纏わる悪い噂の調査の確約
調査はたったの一週間で終わって、いくつか、拠が上がったんだ
どれも**ちゃんは悪くないっていう証拠と、それと、

「まさか弥栄が、」

学園一人気のある、実力のある忍たまの、弥栄くん。彼が悪い人だって、証拠がでたらしい
僕は内容をよく知らないけど、それからひと月くらい、バタバタと騒がしくて、それで、なんでか、次第にみんな**ちゃんを探すようになったんだ

「なんで、今更探すんだろ・・・」
「過ちに気付いたんだろうけどねぇ・・・少し、遅かったわね。」

悲しそうにため息をついた食堂のおばちゃんが、今日は彼女が好きだったメニューにしましょうかと空を見上げて
僕は、**ちゃんが元気でいるといいなって、同じように空を見上げた