あなたが全て
「あ、あー・・・あーあ。」
「なんじゃァ、クザン。」
「いや、あー・・・・・・あれだ、忘れた。」
「はっきりせんかい!」
「あの子別に強くないけどォ、百戦錬磨なんだよォ〜・・・オォ〜・・・すごいね〜相変わらず。」

空いた風穴が組織が結合するように埋まり、破裂するように吹き飛ばされた体はかき集めるようにまた人型となる
始めて見るのか、サカズキは目を見開きボルサリーノとクザンを見た

「出していいからさっさとしなよォ〜・・・!」
「海兵は傷つけんなよ!無茶はしていいからさ。」

ボルサリーノとクザンの声に、カスを拭った人型は微かに頷く。直後、サカズキは今まで知らなかったセンゴクの秘書官の姿にセンゴクを見上げた
周りにいた海賊が、見えない何かに喉元を食い破られ腹に穴を空けられ心臓を抉り出されて絶命していく。その真ん中で、秘書官である人型は汚れて黒くなった服を申し訳程度に払いながら平然としていた
そこだけ、まるで室内かのように静かに、けれど更に周りにいた海兵や海賊はその手を止め光景に魅入る

「てめぇ、何者だよい・・・!」
「・・・僕?僕はセンゴクさんの秘書官だよ。スケジュール調整を主に、センゴクさんへの奇襲の撃退をプライベートでは主に行ってる。ただの、人間だよ。」

君みたいに悪魔の実を食べたわけでも身体能力に秀でたわけでもない。ただの人間。そんなことサカズキだって知っている。いや、知っていた
復活の炎を纏い再生する不死鳥マルコと、体をかき集め足らなければ未知の物質で補う秘書官。その戦いを見ながら、サカズキはボルサリーノとクザンに問う

「おどれら、いつ知った。」
「わっしは麦わらのルフィを捕まえに行ったときだねェ・・・。」
「おれは散歩しにいった時に、捕まえにきたあいつを間違って凍らせちまったんだよ。海上だから海に落ちてさ、センゴクさんに怒られるどころじゃねーって焦ってたら、なんとざばぁ!って上がってきたんだよね。足掴まれてすっげー怖かった。」
「わっしのときはね〜・・・センゴクさんとの茶会の邪魔をしてスケジュールを狂わされたっつってェ、可愛らしいレベルの怒った顔でああだったよォ〜・・・。」

さーてと。首を鳴らしたクザンはパキンと音をさせ、ボルサリーノは閃光と共に、混戦の中へ突っ込んでいった
サカズキは動揺を抑えるように椅子に座り、再生のままならないマルコとなんてことないように再生を繰り返すただの秘書官だと思っていた人型を眺める

「センゴクさんが傷つかなければなんだっていい。不死鳥マルコ、君にとって絶対的な白ひげ、エドワード・ニューゲートのような存在なんだ。僕にとってのセンゴクさんは。」
「一緒にするんじゃねェよい!!」
「僕にとって親であり恩師であり大好きな人であり居場所をくれた人であり生きる意味を教えてくれた人なんだ。だから、センゴクさんの邪魔をするのなら容赦しないよ。」
「○○!いい加減戻って来い!!」
「!はい!センゴクさん!」

無邪気な顔を振り向かせ強く頷いた秘書官は何かをつかむように手を握り、引っ張られるようにぐんと飛ぶ
あっさりと引いた秘書官に呆気にとられたマルコは、センゴクの隣に降りて笑う姿に白ひげを振り返った



頂上戦争中の夢主くんを眺める周囲の図。センゴクさん大好きパパって呼んでいい?と真顔で言う系夢主くんは、普段は愛想よく暴力沙汰に血の気を無くすような一般人。なのにセンゴクさんが関わると特攻隊へと変身する。

でもこれ、確実にルフィまで死ぬのでこれ以上続けない。