- ナノ -
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人里離れた山の奥、その飛竜はひっそりと暮らしていた。私は生まれてからずっと、人間に関わることなく生きてきたが、と飛竜は竜に言った。時折、人の村や街の近くで、竜と人が共にすごしているのを見ると、羨ましくも思えてくるんだ。
今からでも遅くないのではないか、と竜。考えておくよ。飛竜はそう言って、僅かに笑んだ。
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