- ナノ -
391
いつかね、星座はばらばらになっちゃうらしいよ、と彼は夜空を見上げながら言った。何百万、何億年の時間が経ったら、星の位置だってみんな変わっちゃうんだってさ。
わたしもそれを見届けることはできそうにないな、と竜が言った。彼は、はは、と笑う。変わっちゃったその星空を、いったい誰が、どこで、どんなふうに眺めているんだろうね。
遠くで流れ星が閃いた。星も、人も、竜も旅をする。それぞれの速さで。
[
←
〇
→
]