- ナノ -


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 その小竜は星の欠片と共に、この地へ落ちてきたという。半透明の鱗は夜になるとほのかな光を帯び、闇の中に浮かびあがる。しかし、それを周囲の者が怖がったため、小竜は隠れて静かに暮らしていた。デモ、キミハコワガラナインダネ、と小竜。竜は頷き、むしろ美しいと思う、と言った。
 はにかむように笑った小竜の鱗が、ふわふわと虹色に輝いた。


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