- ナノ -


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 竜は翼を、絶妙な力加減で上下させる。周りの誰をも傷つけることなく、あたりにふわりと優しい風が漂った。少しは暑さが和らぐか、と竜が人の子らに問うと、彼らははしゃぎながらうれしそうに頷いた。
 しばらく竜のもとで休むと、子らは元気に駆け出していった。太陽に負けないくらいに真っ直ぐだ。


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