- ナノ -


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 椰子の木が一本生えているだけの、とても小さな島があった。もう長いこと海の上を飛んでいる竜にはそれでもありがたい。少し休憩しようと島に降り立つ。竜が体を横たえると、それだけで島はいっぱいになってしまった。どこからか鳥が飛んできて、じっとしている竜の頭に止まった。君も一休みか、と竜は微笑んだ。
 

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