- ナノ -
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森の中に少し開けた場所があった。不思議なことに、そこには木の実や果物が積まれ、花が添えられている。まるで誰かがいたかのように。
柔らかな土には大きな足跡が残されていた。それはこのあたりでよく見かける生き物のどれとも異なるものであった。
姿が見えなくなったとしても。どこかに、何かに、誰かに。記憶は残り続ける。
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