３０８

　その魔笛の使い手は、笛を吹くことで竜たちを従えることができた。だがあるとき、使い手は気づいた。この笛の音色が竜を弱らせ、彼らから思考を奪っているのだということに。その晩、使い手は代々受け継がれてきた魔笛を粉々に砕いた。竜たちは彼に感謝して空に帰った。しかし彼は、笛を破壊した罪と竜を解き放った罪とでまもなく処刑されてしまったという。

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