- ナノ -
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あたたかな日差しの下、野原でまるくなる竜に背中を預けながら、少女は手元の紙にペンを走らせる。いろいろあるけど、と彼女は言った。こうして、あなたの側でお話を書いてるときがすごくしあわせで、大切な時間で。だからがんばろうって思えるんだよね。竜は片目を開けてちらと少女を見た。彼女もこちらを見た。とても穏やかな顔をしていた。
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