- ナノ -


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 ぼくにはとてもできないんだ、とその緑竜は言った。もし、背中に乗せてる人を落としてしまったら。もし、何か事故があってぼくもろとも地面や海に落ちてしまったら。そう思うと、人を乗せて飛ぶなんて。
 竜は頷く。それは臆病なんかじゃない。それもまた、正しい在り方だとわたしは思う。そうかな、と緑竜は呟いた。きっとそうだ、と竜は返した。


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