- ナノ -


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 はい、いまあなたはぐったりしてるんだから、よく眠るのよ。そう言って彼女は竜の頭をぽんぽんと軽くたたいた。物言いたそうな顔で彼女の方を見る竜に、彼女は肩をすくめる。竜だって怪我したり病気にかかったりするのよ。そんなときはよく休まないと、ね。彼女は竜医だ。弱っている竜を見かけると放ってはおけないらしい。薬が効いてきたのだろうか、頭がぼんやりする。竜はそのまま、深い眠りに落ちていった。


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