- ナノ -


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 彼女は別れ際に必ず、ありがとうと口にした。生きていると何があるかわからない。これきりもう会えないかもしれない。いつでも、一番に伝えたいのは、縁があって同じ時間をすごすことのできた相手への感謝。だから、伝えられなかったことを後悔しないように、この言葉を添えるのだという。
 竜がその町を去るとき、彼女はとびきりの笑顔でありがとう、と送り出してくれた。彼女とはいつかまた巡り会える。竜は不思議と、そんな気持ちになった。


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