- ナノ -
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丘の上の樹の、小さな洞を覗き込む。あった。すべすべの白い石。竜の記憶どおり、無垢な輝きを放っている。
以前──といっても、随分と前だが──ここを訪れたとき、この丘から見渡す人の街の光景がとても美しかった。何か、来た印を残したくなった。それで、近くにあった一等きれいな石を樹の洞に入れたのだ。
石も樹も、丘から眺める空も、そのままだった。街だけが、ひっそりと静まっていた。悠久の眠りについたように。
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