- ナノ -


963
   
 ここ、ここからなら入れるよ。小さな森竜に連れられて、やや開けた場所から竜は森に入った。そのまま獣道を辿ってしばらく進む。やがて現れた光景に、竜は思わず感嘆した。
 目にもさやかな緑が、岩や土を覆うようにして一面に広がっている。まるで柔らかな絨毯を敷き詰めたようだ。苔か、と呟いた竜に、森竜は元気よく頷いた。


[