- ナノ -
954
いつか雪を見にいくんだ、と人の子は言った。温暖なこの地方では冬でも雪は降らない。竜は、前に会った雪竜のことを思い出した。彼がいればどこにでも雪を降らせることができる。
連れてこようか、と提案しかけ──人の子がわくわくと旅の計画を話すのを聞いて、竜はそっと言葉を呑みこんだ。
[
←
〇
→
]