９１１
　　
　彼女は言った。雨が降るって思ってると、雨が降るの。大丈夫、明日は晴れる。そうやって笑ってたら、ほんとに雲は来ないものだから。
　その通りになった。昨日、あれほど垂れ込めていた雲が嘘のように、きれいさっぱり消えている。ね、晴れたでしょ。晴天に負けないほど晴れやかな笑顔で、彼女は竜の背に乗った。

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