- ナノ -
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夏の盛りの熱さはなく、いつの間にか、身に心地よい風が吹いている。竜はその風の中に、銀色にきらめく何かを見た。目を凝らせば、半透明の小竜の輪郭。北風の使者だ。
小竜は竜の視線に気付き、微笑んだように見えた。風がするりと吹き過ぎて、彼の姿はみるみるうちに遠くなる。追いかけるように、竜は力強く羽ばたいた。
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