- ナノ -


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 閃光が星と星のあいだを走った。少し緑色を帯びたようにさえ思えるほどのその光に、どれだけの人が願いを託したのだろう。
 流星はあっという間に消えてしまったが、瞳を閉じれば、先ほどの光が蘇ってくるようだ。今宵は人間に倣って願いを掛けてみようか、と竜は思った。


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