- ナノ -
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君たちみたいに長生きで空をぐんぐん飛べるなら、この世界を何周もできちゃうんじゃない、と彼女は竜に問うた。あっというまに世界の隅々まで知り尽くしちゃいそうだけど。竜は答えて言った。世界は考える以上に広いものだ。それに、もし世界を廻ってある場所に戻ってきたとしても──。
記憶にある姿とは限らない、か。彼女が言葉をついで言った。世界は常に新しいものだ、と竜は頷いた。
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