- ナノ -
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岩の隙間から走る湧水で、竜は喉を潤す。ふと、その岩の向こう、見えない場所までを思って、竜は呟いた。この水はどこからやってきたのだろう。
君はどこからやってきたの。答える代わりに、涼しげな音色を響かせながら、水がそう言ったような気がした。
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