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　僕にはわからなくなっちゃったよ、と彼は呟く。どんな環境だとしても、野辺に咲いている方が花の幸せなのか。摘んで、人の手で大切に世話してあげる方が花の幸せなのか。
　俯く彼に、竜は言った。花がどう思っているのかはわからない。ただひとつ言えることは、どのような状況でも、花は生きることに手を抜かないということだ。彼は頷いた。足元の岩の割れ目から覗いた小さな花を見つめながら。

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