- ナノ -
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いつか飛べなくなる日が来たらどうする、と人が言った。空の記憶を辿り、風の夢を見るだろう、と竜は答えた。何もかもの終わりに、一度だけ、また飛べるならどうする、と人が言った。そのときは、と竜は答えた。風になろう。空に溶けてしまうように。
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